審査レポート
 
     

 

 ミオ写真奨励賞の最高賞は、「奨励賞」です。審査員は作品を優劣だけで評価するのではなく、そこから立ち上る作者の可能性や将来性も判断しています。作品に添えられる応募用紙の情報(制作意図、活動歴、展示指示)は、作家と作品を知るための大切な手がかりです。それらにも目を通しながら、二日間にわたり330作品(3,844点)の応募作品を審査していただきました。
 応募作品は表現の自由度が高く、ストレートなモノクロ作品から、コラージュなどの現代美術的な作品まで、そのテーマや表現スタイルは様々です。一方で、森山大道さんなど、著名な写真家の影響を受けたと思われる作品がいくつか目立ちました。また、バライタ印画紙を使用した、レベルの高いモノクロプリントが少なかったのも審査員の印象に残ったようです。
 選考の際、それぞれが重要視されたのは独創性です。しかし、特殊なテクニックや、ユニークな表現が必ずしも評価につながったわけではありません。作者のバックグラウンドと作品との関係はどうか、テーマや対象にどのようにアプローチしているか、どれだけの年月を持続しているか、ステレオタイプな思考ではなくオリジナリティを持って表現しているかなど、何度も検討されました。
 また、展示構成にも注目されました。実際に展示したときに、作者の意図がどれだけ表現できるのかも判断の材料となりました。作品点数と、その展示計画が高く評価された作品や、全体の表現力が足りないという理由で選からもれた作品もありました。
 上記をふまえ、今までにない視点があるか、継続して制作する力があるか、その力量と将来性を強く意識して選ばれたのが30名の作品です。
 


 


■審査員(敬称略)
今森 光彦(写真家)
島 敦彦(国立国際美術館学芸課長)
森村 泰昌(美術家)