ディレクターのことば
 
     

 

 ミオ写真奨励賞は11年目を迎えました。数多くの方にご応募いただきましたこと、心から御礼申し上げます。
 今年も二日間にわたり審査を行ないました。各審査員が、すべての応募作品を一点ずつ、時間をかけて丁寧に見て下さったことが、とても印象に残りました。くわしくは、「審査レポート」と「審査員コメント」でご紹介しています。ぜひお読み下さい。
 今回から審査方法を変更しました。入選作品(30作品)を選考した後、「入賞者作品展」で展示作品を再審査し、授賞式で各賞を発表するというスタイルです。ミオ写真奨励賞は、作品の展示構成も表現の一部と考えています。応募段階で、応募用紙に展示計画を正確に描いていただいているのはそのためです。ご応募いただいた作品は、展示計画をもとに展覧会を想定して審査を行いますが、最終的に展示状態を確認することで、より完全な形で作品の魅力を評価できるようになりました。
 今までの入賞、入選者は365名を数えます。本展から登場した若い写真家は、個展や受賞など、活躍の場を広げています。写真集『CANARY』と『Lilly』を発表した志賀理江子さん(2005年審査員特別賞)は、2008年に第33回木村伊兵衛写真賞を受賞されました。中島大輔さん(2006年審査員特別賞)は、キヤノン写真新世紀2007で準グランプリを、さらに、ビジュアルアーツフォトアワード2008を受賞され、写真集『each other』を発表されました。山下豊さん(2003年優秀賞、2004年入選)は、大阪を拠点に精力的に活動されている写真家のひとりですが、17年間取材された作品を写真集『軍艦アパート』にまとめられました。ほかにもめざましい活躍をされている方々がたくさんおられます。アンケートでお寄せいただいた情報は、ミオ写真奨励賞のウェブサイトで「出品作家の近況」としてご紹介しています。こちらもぜひご覧下さい。
 最後に。本展の進行を支えているのは、毎年熱意をもって集まってくれる若いスタッフたちです。皆、表現者に敬意をはらい、応募作品に愛着をもって接しています。いつも献身的な作業に感謝します。
 


ミオ写真奨励賞ディレクター
吉川 直哉
 

追伸
千葉県の内野雅文さん(2005年審査員特別賞)は、本展受賞後、大阪で連続個展を開催されました。その後、京都にアトリエを持ち、京都をテーマにした作品に取り組んでおられました。毎年、本展にもご来場いただき、出品作家との交流を深めておられましたが、2008年元旦、年越しの京都を撮影中にカメラを手にしたまま倒れ、急逝されました。ご冥福をお祈り申し上げます。